Photogram Printed T-Shirt
光で描く、かたちの記憶
7月19日(土)より、2025 Fall/Winter Collection / 1st Deliveryをリリースいたします。
シーズンの幕開けとして展開するのは、写真家・工藤佑斗氏に依頼した〈フォトグラム〉を用いたフォトプリントTシャツ。工藤氏がYOKEのためだけに撮り下ろした5作品をプリントし、WHITE・BLACKの2カラー、全10型で展開いたします。
※YOKE AOYAMAでは4作品・全8型の展開となります。


今シーズンのインスピレーションは、写真家マン・レイ。彼が積極的に取り組んでいた〈フォトグラム(レイヨグラフ)〉は、印画紙の上に直接モノを置き、光を当てて像を定着させるという、極めてシンプルな表現手法。形や影、質感が重なり合い、抽象的でありながら、どこか記憶を呼び起こすようなイメージが立ち上がります。
この唯一無二の手法をオリジナルで再構築すべく、フィルムにこだわり撮影を続ける写真家・工藤佑斗氏に制作を依頼。昨年11月下旬、東京・神田のスタジオにて、工藤氏、そしてYOKEデザイナー自身も立ち会いながら、制作がスタートしました。

まずはマン・レイの写真集を手に、方向性を確認し合いながら、使用するモチーフを選定。
「卵」「スプリング」「花」「ネガ」など、マン・レイが実際に用いた素材に加え、「布」「針」「ファスナー」「ハサミ」「メガネ」といった、YOKEらしさを感じさせる身近なアイテムもピックアップし、暗室へと向かいました。



赤いセーフライトに照らされた静かな空間。カメラもレンズも使わず、必要なのは、手と身の回りのモノ、そして光のみ。印画紙の上にそっとモチーフを置き、直感を頼りに数秒間の露光が行われます。影が宿り、かたちがにじみ、ひとつの世界が紙の上に静かに立ち上がっていく――その瞬間は、まるで瞑想のような時間でした。

印画紙の上に現れる像は、単なる影ではなく、モノの気配や記憶までも写し取るような存在感を持ちます。それは、「自分がどんな質感に惹かれるのか」「どんなかたちに心が動くのか」といった、服を選ぶときの感覚にも通じるもの。
フォトグラムは「撮る」というより「対話する」表現なのかもしれません。光と、モノと、自分自身と対話することで生まれるその像は、アートであり、どこか日常の感性とも深くつながっています。

今回プリントに使用したのは、そうして生まれた5点のフォトグラム作品。ボディーには、YOKE定番のゆったりとしたシルエットのハーフスリーブTシャツを採用しました。インドの無農薬農場で育てられたオーガニックコットンを使用し、インド綿特有の滑らかな肌触りと光沢感のある天竺素材で仕上げています。
アートピースのような存在感と、日常着としての軽やかさ。その両方を兼ね備えた、YOKEらしいフォトグラムTシャツとなっております。是非この機会にご覧くださいませ。